今年の夏休み読書感想文課題図書、小学校高学年の部の4冊を読み終えました。
どの本も、みなさんに読んでほしいな、と思いました。高学年の部ですが、文章は読みやすいものばかりなので、4年生も十分読めると思います。
あらすじと、心に残った場面を簡単に紹介します。
あらすじ
父親である鈴木六郎さんが撮った日常の写真から、命について、戦争について、考えさせられる写真集です。
写真には、子どもたちのはじける笑顔や、可愛がっていた動物など、日々の暮らしや広島の町の風景が写し出されています。しかし、この家族は原爆で一家全滅してしまいます。
心に残った場面
「あしたは何をしようかな?ね、おにいちゃん?」
こんなに普通の、無邪気な笑顔が、一瞬にして奪われる戦争の恐ろしさ。
感想文を書くのは少し難しいかも?しれませんが、この本を通して、まわりのだれかと、いのちや平和について語り合う機会が生まれるといいですね。
あらすじ
主人公の珊瑚は、沖縄に住む小学6年生の女の子。
珊瑚は、ひらがなばかりの作文を、クラスメイトの詩音にバカにされて、漢字を覚えるために日記を書き始めます。この本は、珊瑚の日記の形で語られています。戦争、基地問題、貧困、差別、沖縄文化の継承など、沖縄の難しい問題に触れながらも、ストーリーは読みやすく、いつのまにか主人公に感情移入し、彼女を応援しているに違いありません。
心に残った場面
エンジン音で戦闘機がわかる話、ルリバーを泣かせてしまった場面、島唄の話、くるみが泣きながら沖縄の歴史について話す場面、詩音の手紙、心に残った場面がいくつもあります。最後は思わず涙が・・・・・・。ぜひ読んでみてください。
あらすじ
幼い時に失明した少年、ルーチョが、山登り・人との関わりを通して、成長していく物語です。環境教育にも携わるイタリア人作家、ジュゼッペ・フェスタの作品。動物と山を愛する目の見えない少年と、実際に出会ったことから書かれたそうです。
心にのこった場面
「誰だって、人に頼って生きてるの。できないことは誰にだってある。」というキアーラの台詞。そして、ルーチョがキアーラにむかって、震える手を差し出す場面に心を打たれました。最後の場面も、想像がふくらみます。この本を読むことで、目の見えない人に対するイメージが、変わってくるかもしれません。ぜひ、読んでみてください。
あらすじ
体が不自由な人たちのため、その人にピッタリあったバリアフリーの自転車を作り続けてきた堀田健一さんの実話です。「人のためにどう役立てるか」という信念と、優しい心、家族の応援にも支えられ、多くの苦難を乗り越えてきました。
心に残った場面
「わたしの原点は、人の役に立つものを作ることです。健康な人だけではなく、障害を持っている人もふくめて、人間のための道具を作っていきたいのです。歩行が不自由で落ちこんでいた人が生き生きと自転車に乗っているのが何より楽しみです。」堀田さんが受賞したときに語った思いです。堀田さんの思いが、先に続いていくよう、願わずにはいられません。この本を、将来の仕事や生き方について考えてみる、1つのきっかけにして下さい。