ことのは塾では、作文の準備として、おうちの方との対話をお願いしています。対話が、お子さんの作文をより豊かなものにします。
言葉の森のホームページに、対話に関する記事が掲載されていましたので紹介します。
言葉の森代表・中根先生が書かれた記事です。中根先生、お願いします^_^
https://www.mori7.com/index.php?e=4757
(以下引用)
「上手な作文は親子の対話で書く――低学年は題材作り、中学は似た例の取材、高学年は感想のアドバイス、受験生は準備と推敲の協力」
●低学年の対話
対話の分野は、学年によって変わってきます。
小学校低学年の場合は、作文の題材作りを手伝うことです。
低学年の生徒は、自分のしたことや、自分が面白いと思ったことを無邪気に書きます。
それは、それでいいのですが、普通に自分のしたことを書くだけだと、いつも「学校でこんなことがありました」とか、「今日もともだちとサッカーをしました」とかいう、代りばえのない作文になります。
もちろん、それでもいいのですが、大きくなってから自分の低学年のころの作文を読み返して面白いと思えるような作文を書ければ、やはりその方がいいのです。
価値ある作文は、その子の自分らしい経験が書いてある作文です。
子供は、映画を見にいって楽しかったときは、映画の話を書こうとします。
ゲームをして面白かったら、ゲームがどうなったかという話を書こうとします。
翌日楽しい遠足があるというときは、遠足が楽しみという話を書こうとします。
しかし、見ただけの話や、未来の話は、いずれも、自分らしさのある作文にはなりません。
低学年の作文は、題材づくりを親が手助けをしてあげるといいのです。
それは、別に、わざわざディズニーランドに連れていくというようなことではありません。
例えば、「今度の日曜日、お母さんと一緒にカレーライスを作ろうか」とか、「お父さんと一緒に、ザリガニをつかまえに行こうか」とかいうことでいいのです。
その際、子供と一緒に、必要な手順を考えて、できるだけ子供が主体的に参加する形にすることです。
こういう経験が、作文を書く以上に、子供を成長させます。
●中学年の対話
中学年からは、作文の課題が決まってくるので、お母さんやお父さんに似た例を取材することが必要になります。
特に、日常的に対話をする機会の少ないお父さんに似た話を聞くと、子供の題材力が広がります。
感想文の課題のときは、特に、子供の体験だけでは十分に書けないので、お父さんやお母さんが似た経験を話してあげることが必要になります。
似た話の取材は、家族だけに限りません。
場合によっては、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに電話で取材をしてもいいのです。
この取材によって、子供の題材と表現の幅が広がります。
そして、この対話は、作文に役立つだけよりも、むしろ子供の生き方、ものの見方の成長に役立つのです。
●高学年の対話
小学校高学年以降は、似た例の話のほかに、感想や意見のアドバイスもしてあげることができます。
高学年になると、生徒自身がよりよい文章を書こうと思うようになります。
しかし、小学校高学年のうちは、まだ感想や意見を書くための語彙が不足しています。
そのときに、中学年のころまでに似た例の取材をよくしてきた子は、感想や意見についても両親に話を聞こうとします。
感想や意見の対話によって、子供の考える力が伸びていくのです。
●受験生の対話
受験作文に取り組む場合も、親子の対話が必要です。
ひとつは、課題を見て、どういう実例や構成や意見で書けるかを話し合うことです;
特に大事なのは、どういう実例で書くかということです。
いい実例を思いつくと、その方向で一気に書けるようになるからです。
そして、先生から作文が返却されてきたときは、その作文を親子で推敲するのです。
普段の作文では、推敲までする必要はありません。
かえって、普段の作文で推敲をする時間をとると、子供は作文を書くことを負担に感じるようになります。
しかし、受験作文の目標は合格する作文を書くことですから、よりよい表現になるように親子で赤ペンを入れていくようにするといいのです。